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阿修羅城の瞳[ 芝居 ]

阿修羅城の瞳
観劇日:8月15日(金)、8月25日(月) 劇場:新橋演舞場

夏木マリの演技は、あれは、笑うところなんでしょうか。
わたしが3年ぶりの「阿修羅城」に胸ときめかせ、わくわくして見始めた途端、高音のけたたましいひゅるひゅる声が。
な、なに?
お芝居にぐいぐい引き込まれていって、身も心も出門(市川染五郎)に預けきって気持ちよくなっているとまたひゅるひゅるひゅる。
ふへっ!?
なんなんでしょう。あの声は。わたしの心を阿修羅城から新橋演舞場に引き戻すあのひゅるひゅるは?ギャグ?まさかなあ。

2000年に上演された市川染五郎と劇団☆新感線による「阿修羅城の瞳」が、この夏帰ってきました。
2000年版に出演していた花組芝居の加納座長が出ていないのがとても残念でしたが、染様以外のキャストを一新ということで仕方ないです。加納さんのやった四世鶴屋南北役は小市慢太郎さんでしたが、声もよく、手堅い演技でとても良かったと思います。
個人的には小市さんを見ると、映画「張り込み」で若林志穂をがすがす殴り続けていた印象が強く、J-フォンのCMで、「またまたパパだよー」と笑っていても、月桂冠のCMで奥さんと仲良くお酒を酌み交わしていても、「その笑顔の下にはあの残忍な顔が……」とうちふるえずには居られません。そんなことはどうでもいいのですが、南北が、加納さんが演じたような女形である必要はそれほど無いわけで、南北が加納さんから小市さんに変わったことに代表されるように、今回の「阿修羅城の瞳」は、前回のお祭りに比べるとだいぶ手堅いかんじにできあがっていたのではないでしょうか。
別にどちらがいいとか悪いとかはないです。ただ、2000年版のDVDをたぶん100回くらい見まくって、天海祐希の代わりに舞台に立ってもいいほどにセリフや段取りが頭に入っているので、好きだった歌が無かったり、気に入っていた役が無くなっていたりしたのが少し寂しかったです。

あれやこれやと思うことはつきませんが、今回の「阿修羅城」もとても良かった!夏木マリのひゅるひゅるにはとまどいましたが、前回とは別物のすばらしさがありました。
天海祐希の阿修羅は、この世のものとは思われぬほどに美しく、ものすごい迫力でした。あまりに強くて出門が負けそうでどきどきしましたが。
そして染様!最初出てきたとき田村正和かと思って驚きましたが、そのせいかどうか(って、たぶん関係ないだろうけれど)落ち着きと色気が倍増していて、あまりの色男ぶりに、思わず結婚指輪をはずしそうになりました、わたし。ぜんぜん意味無いけど。
何度聞いても泣いてしまう出門のセリフの数々。その場で止めて切り抜いて持ち帰りたいほどに決まった見栄。また会えて本当に嬉しかった!
大感動の2日間でした。

にしても、夏木マリ……(しつこい?)。