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アマデウス[ 芝居 ]

5月8日(土)、「アマデウス」を観た。

ともかく幸四郎のサリエーリが素晴らしかった。
老いたサリエーリから若きサリエーリに変わったその瞬間は、目を見張るものがあった。
病、絶望、狂気、老い、後悔、死…真冬のまっただ中にいるサリエーリから、
希望、夢、生命力に満ちあふれた春そのもののようなサリエーリに一瞬で転換し、
そこから彼の回想が始まる。

この冒頭の部分でわたしはすっかり幸四郎にやられてしまって、
お目当ての染五郎はあまり目に入らず。
染様は、下品なモーツァルトという役どころなのだろうが、
下品というより、アホの子?というかんじでかわいそうですらあった。
あとで、この役が染五郎の前は江守徹だったと知り、なんか納得。
どれほど下品であったかと想像し、ちょっと観たいような観たくないような……。

芸の深みということをつくづく感じた舞台でした。

作:ピーター・シェファー 演出:松本幸四郎
出演:松本幸四郎 市川染五郎 馬渕英里何 堀越大史 新井康弘
   長克己 外山誠二 奥野匡 日野道夫 田中耕二 河野正明 植本潤 他
劇 場:ル・テアトル銀座