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いろは四谷怪談[ 芝居 ]

5月14日、15日、16日、20日、23日、花組芝居いろは四谷怪談」を観た。
言い訳がましいのですが、もともと入手していたチケットは14日、16日、23日の3枚でした。
それなのに、それなのに、5回も観るなんて!

松の廊下から始まり、タイトル通り「四谷怪談」だけでなく、「いろは」の部分もきっちり描き、
わりとコンパクトな感じにしてある割には盛りだくさんなお芝居だった。
衣装は華やかだし歌もいい。歌詞が聞きづらかったのが残念だったけど。

加納さんのお岩は、原作とちがって、伊右衛門(水下きよし)が好きで好きでたまらない、
切ないお岩だった。胸がきゅーん。

すばらしかったのはやはり大詰。
伊右衛門とお梅の婚礼の夜、お梅の顔がお岩に変わり、更にお岩が一人、また一人と増えていく。
約20名の白無垢お岩と伊右衛門との立ち回りは圧巻!
さらにその立ち回りはそのまま忠臣蔵の討ち入りでもあった。
伊右衛門は高師直であり、お岩たちは四十七士なのだ。
縛り上げられた師直が、「首が飛んでもうごいてみせらぁ」と伊右衛門のセリフを吐く。
師直(=伊右衛門)が倒れ、大星由良之助が下がると同時に、お岩が登場。。
倒れている伊右衛門を、愛しく見つめ、抱きすくめるように覆い被さって、幕。
恐ろしい、美しい、おもしろい。何度(って五度だけどさっ)見てもぼろぼろ泣いてしまった。

しかし、ここでもう一度幕が上がり、金ピカの衣装に着替えた役者達が、
劇中歌をメドレー形式で歌って踊るショーが!
なにこれ?ヅカ?
ラストは大きな羽を背負った小林幸子ばりの加納座長の登場に大拍手。
こんなに驚くのは久しぶりってくらいに驚いて、そして腹の底から大笑いしたのだった。

ともかく、すごいお芝居でした。

役者さん、みんな素晴らしかったけれど、特に大星由良之助役の八代さんには目を奪われた。
歌はうまいし動きは軽やかだし、お芝居もものすごくうまい!
松原さん、びっくりするほどうまくなっていて、目を見張りました。


作・演出:加納幸和
出 演:加納幸和 水下きよし 原川浩明 溝口健二 山下禎明 桂憲一 大井靖彦 八代進一
   北沢洋 横道毅 嶋倉雷象 各務立基 秋葉陽司 松原綾央 橘義
劇 場:世田谷パブリックシアター

次回公演は有吉佐和子原作「和宮様御留
東京:10月17日〜24日(シアターアプル)
神戸:10月30日〜31日(新神戸オリエンタル劇場)