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初めていれたボトル[ ]

酒を日常的に摂取するようになったのは、22歳の冬頃を境にしてだと思う。
こっぴどい失恋というわかりやすい原因で、当時は浴びるように飲んでいた。
飲んでない昼間はひたすら卒論を書いていた。そして、夜は飲んでいた。飲んで唸っていた。わたしを棄てた男を思って吠えていた(実は、そのしばらく後、わたしの裏切られ方が当時思っていた以上であったことがわかったが、そのときはもう未練も何もなく、ただ死ねばいいのにと思った。怖っ!)。
わたしの22歳の別れはまあ、どうでもいいんですが、そのときのやけ酒をきっかけに、日常的に飲酒するようになったのだった。
卒後、3年間の院生生活を経て、晴れて社会人になり関東へ引っ越し。
ほどなくしてなじみの店もでき、一人で飲んだくれる日々(このときも恋愛がうまくいってなかったな)。
この頃、初めてお店にボトルを入れる。
初めて入れたボトルはなんと、紹興酒であった。
当時、紹興酒のロックにレモンを絞るのが自分の中で大ブームであった。
よほどたくさん飲んでいたのだろうか。お店の人に「ボトルいれた方が……」と言われ、そうすることにしたのだった。
しかし、初めていれたボトルが紹興酒って、なんというかこう、しまらない。
ジャズバーでバーボンとかそういう大人のカッコヨサからは、遠く離れている。
そして、人生二度目に入れたボトルが泡盛となると、もうわたしの酒道は決まってしまったと言わざるを得まい。
わたしはわたしの酒の細道を、ちんたらとゆくばかり。