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恋の渦[ 芝居 ]

ポツドールVol.15「恋の渦」

脚本:演出:三浦大輔
出演:米村亮太朗 古澤裕介 鷲尾英彰 美館智範 河西裕介 内田慈 
   遠藤留奈 白神美央 小島彩乃 小林康浩 他

前公演の「夢の城」の評判の凄まじさで興味を持ったのと、シアターテレビジョンで見た特別企画の「女のみち」がおもしろかったのとで、ポツドール初観劇。
初めて見るタイプのお芝居で、かなり満足な観劇となりました。
まだ公演期間中なので、ネタバレは以下に。

二十代前半ぐらいの男女のお話。
幕が開くと、若い男女が同棲するワンルームの部屋で宴会が始まろうとしている。
続々とあつまる若者。
宴会のメインは、ある一組の男女を引き合わせて、つきあわせようというもくろみ。
しかし、当の二人はなかなか歩み寄れず、周囲がなんとかしようとしてもからまわり。

暗転があって幕が上がると、そこに現れたのは4つの部屋。
冒頭の部屋と、その宴会に参加した男子の部屋である。
その四つの部屋で物語は同時進行していく。

まず、この同時進行がすばらしい。
台詞がかぶったりもしているのに、今どの部屋の会話に集中すべきか、客席がきちんとわかるように作られている。この舞台設定だけでだいぶ満足。
また、彼らの台詞が、台詞というよりもイマドキの若者の会話そのものなので、芝居を見ているというよりも、若者の生体を覗き見ているような気がしてくる。そのために、濃厚なキスも、セックスも、芝居をみているのではなく、本物を目の当たりにしているようで、ドキドキしてしまった。
平気で浮気する男。好きな人がいるのに、それはそれ、別の男と平気で寝る女。不器用なくせにかっこつけたがりな男。自己中な男。あれほど一途だったくせに、あっさり裏切る女。どこにでもいる男女のどこにでもある恋を、一斉に同時進行で見せる手法は圧巻でした。
若いときの恋って自分のことしか考えられないよね。
浅はかなエピソードにも、なんだか思い当たるフシもあり。
懐かしい、恥ずかしい、けっして愛ではない、恋。