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狂風記[ 芝居 ]

12th 東京オピニオンズフェスティバル「狂風記」
観劇日:2月9日(月) 劇場:アートスフィア

石川淳原作の同名小説の舞台化。
石川生前より舞台化構想は始まっていたようですが、
石川やその妻の死などにより頓挫していた模様。
約20年かけて漸くの舞台化。

うーん。と困惑した帰り道。
いったいこのお芝居、どうなりたかたったのかがあまり見えてこなかった。
市原悦子をはじめとする役者陣は、がっちりと腰の据わった芝居をしていたし、
蠢く白塗りの大駱駝艦の面々は、作品世界の怪しさを際立たせていたし、
花組芝居の面々も、腹黒さ胡散臭さ全開で、見ていてすがすがしいほどであった。
非常におもしろいメンツが揃っているのに、それ以外の良さは特に感じられず、
何をどうしたかったのかがわからない芝居だった。
思うに、舞台でストーリーをきっちり追うには、上演時間も含めた制約が大きすぎたのだと思うし、
ストーリーなどかなぐり捨てた演劇空間「狂風記」を作るには、制作側の、
ストーリーに対する思い入れが強すぎたのでは。
中途半端で勿体なかった。

とはいえ、「OINARI」以来久しぶりに花組芝居の役者の姿が見られたので良かった。
いつもはでかくてかっこいい水下さん、今回は非常に美しかった。
たしか地底を掘り続けて何かを探して、出てきたところで千年経ってて、
そこで忍歯王として目覚めるというラストだったと思うんだけど(曖昧)、
そのときのマゴ(水下きよし)の美しさには、わたしも目が覚める思いでした。

にしても、アートスフィアは遠いよー。
ちょっくら芝居を観に……という感じでは出かけらんないよー。
家に帰るより羽田から沖縄行く方が早そう。