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2004年11月13日

ハンブルボーイ [ 芝居 ]

久しぶりのグローブ座。
グローブ座は何もかも変わっていた……。そう、入り口までも!
すっかりジャニーズ劇場になってしまったグローブ座に、そして、なぜわたしがジャニーズ芝居を……などといろいろと戸惑いを覚えつつ、ラッパ屋の三鴨さん目当てで観て参りました。
いやー、良かったですよ。
役者全員素晴らしかった。いのっちも。
とても難しいお芝居だと思ったのですが、丁寧に作られていて、かなり満足度が高かったです。
それまで花の咲き乱れている庭に居ながら「花の香りが感じられない」と言っていた母(夏木マリ)が、息子(井ノ原快彦)との間のわだかまりがほどけ、亡くなった夫との愛情を思い出した途端、花の香りを感じるようになる。
すると、本当に、劇場に花の香りが立ちこめたんです。
小粋な演出に更に感動しました。


「ハンブルボーイ」
東京グルーブ座
作:シャーロット・ジョーンズ
演出:G2 翻訳:長谷川真実
出演:井ノ原快彦 夏木マリ 大路恵美 三鴨絵里子 蟷螂襲 大谷亮介 

2004年11月06日

VR [ 芝居 ]

舞台は救急病院。
冒頭からアメリカの人気ドラマ「ER」そっくりのドラマが展開します。
何がそっくりって、アメリカ人のようなオーバーアクション、海外ドラマの吹き替えのようなセリフ回し。
皆さん、よく勉強して練習したもんだなあと爆笑しつつ感心していると、世界が激変します。
「ちょっと休憩しよう」の声とともに、舞台の左右に上下2段で設置してあるモニタに、PCの前でヘッドセットをつけている出演者の映像が映し出されます。
なんと目の前で展開していた物語は、オンラインゲーム。そう、お芝居のタイトル通り「VR(Virtual Reality)」だったんです。
プレイヤーは休憩するのだが、「再設定がめんどくさい」とかいう理由で、ヴァーチャルの救急病院の動き(舞台上の実際の動き)は進行し、モニタの中の彼らはヘッドセットをつけたまま、思い思いのことをし始めます。
コンビニに行く者。受験勉強に励みつつ居眠りする者。エロビデオのレンタルに行く者……。
モニタからは音声が出ませんので、休憩中のプレイヤーのセリフは、舞台上の役者が喋っています。
込み入ったことになってます。
つまり舞台上の役者は、休憩中のプレイヤーの間抜けなセリフを話しながら、進行中のゲーム=救急病院の緊迫したドラマの演技を行っているというわけなのです。
緊急オペとかしつつ、「巨乳OL」とか「あ、今の小倉優子じゃない?」とか言っているのです。

大変な芝居です。
身体の動きとかけ離れた発話って……!
役者の努力に大拍手です。
そして土屋さんってやっぱりすごい。

シベリア少女鉄道vol.11「VR」
2004年10月29日(金)〜11月10日(水)
下北沢駅前劇場
作・演出:土屋亮一
出演:藤原幹雄 横溝茂雄 前畑陽平 秋澤弥里 水澤瑞恵 
   篠塚茜 佐々木幸子 白井暁子 出来恵美 木田ゆう子 ほか

次回公演シベリア少女鉄道vol.12〈死ぬまでにしたい12個目のこと〉「アパートの窓割ります」
2005年2月11日(金)〜20日(日)
新宿THEATER TOPS
作・演出:土屋亮一
出演:藤原幹雄  前畑陽平 吉田友則  横溝茂雄 出来恵美  篠塚茜 ほか