酒の時間・芝居の時間 〜2〜 [ 芝居 ]
酒と芝居を好まなかったら、ある程度のお金は貯まったんじゃないかと思う。
酒は、まあ、呑むようになるんじゃないかと、とくに言葉にせずともしぜんと思っていた節があり、今のこの状況は当然の成り行きという気が実はしている。
しかし、芝居に関しては、まさかここまで観るようになるとは思わなかった。
初めて東京でお芝居を観たのは、1998年の4月頃。
今やジャニーズ劇場と化してしまった新大久保の東京グローブ座は、当時はシェークスピア劇の公演を中心に行っていた劇場だった。その東京グローブ座で開催されていた「グローブ座春のフェスティバル」の参加作品、弘前劇場「アメリカの夜」を観たのが最初。
実はこの芝居のことは殆ど覚えていない。弘前劇場とはその名の通り、青森県弘前市を拠点として活動している劇団。台詞が津軽弁と秋田弁だったので、津軽弁ネイティブのわたしにとっては、台詞の聞きやすさに於いては幸運だったが、芝居の受容に於いてはまったく不幸だった。初心者には難解だったようだ。
その年の7月、演劇集団キャラメルボックス「さよならノーチラス号」、11月に花組芝居「怪誕・身毒丸」と観たのだが、残念ながらこの年はわたしの演劇元年にはならなかったのだった。
わたしの演劇元年は、その翌年、1999年の1月に颯爽とやってきた。
場所は、わたしが初めて東京でお芝居を観た劇場である東京グローブ座。
演目は、グローブ座カンパニーによる「夏の夜の夢」。