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2008年07月16日

酒の時間・芝居の時間 〜2〜 [ 芝居 ]

酒と芝居を好まなかったら、ある程度のお金は貯まったんじゃないかと思う。

酒は、まあ、呑むようになるんじゃないかと、とくに言葉にせずともしぜんと思っていた節があり、今のこの状況は当然の成り行きという気が実はしている。

しかし、芝居に関しては、まさかここまで観るようになるとは思わなかった。

初めて東京でお芝居を観たのは、1998年の4月頃。

今やジャニーズ劇場と化してしまった新大久保の東京グローブ座は、当時はシェークスピア劇の公演を中心に行っていた劇場だった。その東京グローブ座で開催されていた「グローブ座春のフェスティバル」の参加作品、弘前劇場「アメリカの夜」を観たのが最初。

実はこの芝居のことは殆ど覚えていない。弘前劇場とはその名の通り、青森県弘前市を拠点として活動している劇団。台詞が津軽弁と秋田弁だったので、津軽弁ネイティブのわたしにとっては、台詞の聞きやすさに於いては幸運だったが、芝居の受容に於いてはまったく不幸だった。初心者には難解だったようだ。

その年の7月、演劇集団キャラメルボックス「さよならノーチラス号」、11月に花組芝居「怪誕・身毒丸」と観たのだが、残念ながらこの年はわたしの演劇元年にはならなかったのだった。

わたしの演劇元年は、その翌年、1999年の1月に颯爽とやってきた。

場所は、わたしが初めて東京でお芝居を観た劇場である東京グローブ座。

演目は、グローブ座カンパニーによる「夏の夜の夢」。

2008年07月15日

酒の時間・芝居の時間 〜1〜 [ 芝居 ]

芝居に纏わる様々な思いや、日々の出来事から思い出された芝居のことやらを、(何にということは敢えて言及しないけれども)とらわれることなく記してみたいと思い始めました。

タイトル通り、「酒」についても触れてゆこうと思っています。

さて、そのタイトルですが、単にわたしが酒と芝居がことのほか好き、ということでもあるのですが、酒と芝居というのは切り離せないふたつであるというように思っています。

芝居の後は酒が飲みたい。

ま、わたしは酒好きですから、時間があれば、芝居の前でもいいです。
芝居というのは、観る者を日常とは別の時空間に連れて行くものであるから、連れ出された異空間に脚を踏み入れる際の儀式としての「乾杯」というのも好き。ま、飲み過ぎるとその後の観劇に支障を来しますが。
でも、必ずではない。必ず飲みたいのはやはり芝居の後です。

マチネの後だと時間的に無理があったりするけれど、それでも数時間我慢して必ず酒が飲みたい。終演が遅かったり、劇場から家までが遠いと帰りの電車が気になったりで、少ししか時間がとれないときがあっても、それでも少しでいいから飲みたい。一人でもいいし、一緒に観劇した相手とでもいい。芝居の感想なんて語り合わなくてもぜんぜんかまわない。むしろ何も言うことなく、互いに黙って少し前の時間をかみしめたい。その芝居が、気に入っても入らなくても。そのかみしめる時間に、酒が欲しい。

まあ、観ても観なくても、夜になれば必ず飲んでいるのですがね。

でも、芝居の後は殊に欲しくなる。

なんとなく、飲むことによって、そして酔うことによって、さっきまでの時間(芝居)に戻り、じわじわとそこに溶け込んでゆけるように思うのかも知れない。

ポイントは「酔い」。

芝居と、酒に酔う。

ぐらぐらぐらと酔いどれて、わたしは日常からちょっとだけ離れる。

でもわたしは女優ではないから、酔いが醒めたらきちんと日常に戻ってこれを書きます。